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ぷーちん君のクリムゾン日記  - 華麗なるロシアの一族 3-  

ロシアの猟師は皆、15歳を迎えた年の最初の猟の日の朝、父親から銃と、テッドとよばれる獣の名を授けられる。そうして初めて戦う事を許されるのだ。
テッドは山の神に祝福された聖なる獣の名前であり、猟師は山に挑む際、汚れた人の名前を捨て、テッドを名乗って獣となる。獣は人の掟に縛られないので、山のいかなる場所に踏み入ることも認められ、いかなる獣と戦うことも許される。ただし自らの血は自らで拭い去らねばならず、もし拭い切れない血が流れたならば、死んで血と肉を、より強い山の獣に捧げねばならない。そしてテッドの魂は己の血と肉とを食んだ獣に宿り、再び戦うために歩き出すのだ。それがロシアに生きる猟師としての掟であり、また誇りでもある。ただオレはあくまでロシア大統領であって猟師ではないので、あまりテッドには深入りせずに、単純にハンティングをエンジョイできればと思っている。ギバちゃんも昔、これと似たようなことを言ってた気がする。要するに、今が楽しかったらそれでいいのだ。

オレが授かったテッドはテッペイといい、ロシア語でのテッペイ (鉄平) は 「疲れを知らぬ鋼の心肺機能」 という意味を持つ。そしてギバちゃんのテッドはミクモといい、ロシア語でミクモ (三雲) は 「千里を駆ける紅い狼」 という意味だ。そしてギバちゃんは、過去にテッドとして、銃を用いずにナイフのみでツンドラタイガーと戦って勝利し、それを殺したことが称えられ、頭取という称号を名乗ることを許されている。 ― その戦いの際、ギバちゃんは胸と背中に深手を負い、今もその傷跡は消えることはない。
ギバちゃんは血を流し合い、勇敢に殺しあったツンドラタイガーの爪と牙から首飾りを作り、以来ずっと肌身離さず身に着けている。こうしてツンドラタイガーはギバちゃんのテッドの一部となり、彼はその虎による守護を永遠に授かる事となる。我ら山の獣は皆、一つの車輪に名前を連ねた奴隷に過ぎず、奴隷は何も考えず、ただ殺しあえばいい。探して殺して、オレはいよいよ獣になるのだ。この鋼の猟銃が、オレの牙であり爪だ。獲物共よ待っていろ、オレが貴様ら全部、きっと噛み殺してやるからな。さあ始まるぞ、この狩が終わるまで、オレはただ一匹の獣になるのだ。

「さあ、行こう、鉄平君。」
「ああ行こう、ギ、いや、三雲頭取。」

興奮してついうっかりギバちゃんって呼びそうになってしまった。オレの言い損じたのを聞こえたのかいないのか、判別はつかないけど、とにかく三雲頭取は前を向き直る間際にオレに親愛の篭った笑顔を向けた。オレは彼と共に狩に挑めることを心の底から嬉しく思った。









しまった。テッドを名乗る以外にもう一つ、オレたちにはやらねばならない儀式があった。
「ギバcy、、、三雲頭取、忘れていた。オレたちはキシャリギャンの誓いを立てていない。」
「あw ほんとだww」
うっかりしていたオレと三雲頭取は、慌てて車まで戻り、ウォッカを取り出しグラスに注ぎ、そこにこの為に準備してきた羊の肝臓から絞った血を数滴垂らした。グラスに薄っすらと濃い血が滲むと、オレはそれを指でかき混ぜ、血とウォッカが混ざったグラスはやがて血の赤一色となる。 「三雲頭取、マッチを」 オレが言うと頭取は、マッチを取り出し親指で擦って火をつけた。マッチの炎が消える前にグラスに落とし、ジュっと乾いた気持ちのいい音を立てて炎は消えて、グラスの表面に煤が広がる。オレはマッチの軸を取りだし、もう一度指でかき混ぜ、煤を血とウォッカに溶かす。だいたい混ざるとグラスを掲げ、オレと三雲頭取はキシャリギャンを山に誓った。

「ギャンの名の下に、純白の加護を得、山に挑む。」 二人で唱える。
「シェフチェンコの山の王よ、我等テッドのキシャリギャンを受け入れ賜え。
 我らに向けて閉ざされたる門が、純白の下に開け放たれんことを。
 我らの後に開かれたる門が、ギャンの下に閉ざされんことを。」
 :
(略)
「アーチュリンより牙を授かり、ダンディーロより爪を授かる。
 これより我等は、祝福されし獣となった。」

唱え終わると、まずオレがグラスから一口啜り、次に頭取がそうする。頭取が含み終わるとオレはグラスを更に高く掲げ、それを合図に二人同時に口に含んだウォッカを飲み干す。グラスの残りは三度に分け、東の方角に撒き、雪に赤い血の色が散らばる。撒き終わると、キシャリギャンは山の王に受け入れられる。こうしてテッドの仲間はガストロンガーとなり、より強力な絆によって結ばれるのだ。ガストロンガーとは即ち力であり、意思であり、希望である。死とは対極の位置に置かれているのだ。

鉄: 「頭取、飲んだ?」
三: 「いや、ほとんど飲んでないww 鉄平は?」
鉄: 「オレ飲んだよー!ww 頭取もちゃんと飲めよなーww」
三: 「つーかマズイしw 羊の血ってww」
鉄: 「いや飲めってw」
三: 「ヤだよww」
鉄: 「ヤベーってw 掟守れってww」
三: 「死んだら守るw」
鉄: 「ウケルww」

友とはかくも素晴らしきかな。我等ガストロンガーは談笑しながら仕切り直して山に挑んだ。

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[ 2007/03/25 ] クリムゾン | tb(1) | cm(0)
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鉄鋼材料はいろいろな名前で呼ばれている。また、分類法によって、同じ鉄鋼材料が別の名前で呼ばれることがある。鋼は機械・工具に長く使われた伝統があり、その用途ごとに、鋼種の改良が進んできたため、例えばJISの鋼種の分類も、銅などの合金が比較的成分の系列にしたが
[2007/04/08 13:09] 鉄を集める


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